第1回 - 墨つぼ ・ 墨さし

記念すべき第一回の道具は「墨つぼ」と「墨さし」です。

私のところでは、お正月に「墨つぼ」「墨さし」[さしがね」を床の間に飾って、一年の無事と工事の成功を祈ります。

近年では、プレカットや既製品の建材の普及で大工さんが、墨付けをして材を刻むことも少なくなり、めっきり活躍の場が減ってしまいました。

古くは中国の工匠「魯班」が発明したといわれてますが、日本でも法隆寺の当初材に墨跡が残っているそうです。

構造的には墨汁を浸した真綿の入った墨池、墨糸、糸車、糸を固定する軽子などで構成されています。

墨跡を残したくないときには、朱つぼを使います。

昔は、手作りの墨つぼで、自らの腕を示す一種のステータスとなっていたようです。

墨さしは竹で出来ていて字を書いたり、線を引いたりします。

(参考文献)大工道具の本 理工学社
 
【墨つぼ】

墨つぼ&墨さし。  年季が入ってます。
  【チョーク】

チョーク式の墨つぼ。ブリキの分は年代物です。